曲を通じて
全体的にまとめると
今回の危機契約#9自体が海をテーマにしていたり,歌詞にも海が入ることからまたアビサル関連の暗い内容かなと思ったが実際には違った.
考えられるキャラクター
曲における登場人物は「あんた」と「私」.
曲冒頭の椅子に座った操り人形は,誰かに言われるがままの「あんた」を指すのだろう.
交響曲はその誰かの命令か何かで,「あんた」と「私」は一緒にそれを逆らうことなくこなしてきた.
ただ違ったのは,「私」は再起(反逆?)の時を諦めずに狙っていたということ.曲では「私」がいよいよ行動に移そうとして,やる気がなさそうな「あんた」を導く様子が歌われているとわたしは考えた.
ストーリーを妄想してみる
私の中では一貫して危機契約の曲は危機契約に挑戦しようとする,アークナイツ内では語られなかった人たちの物語と捉えている.
この曲も危機契約に挑戦して,報酬を得ることで誰かに従うしかない今の環境から抜け出そうとしている2人が見えてくる.
全体を通してみると,
「私」 :真面目で「あんた」には手を焼いているところもある
「あんた」:「私」に迷惑をかけたりしてそう
な感じがする.ロイとモニークか……?
キャラクター的に面白いのは,「私」は真面目ではあるが結構内に熱を秘めてそうな部分があるところだ.そして,迷惑をかけられつつも「あんた」を見捨てないあたり,この二人はそれなりの仲であることもうかがえる.
ますますロイとモニークな気がするのだけれど……
和訳について
和訳にあたっては以下の部分がポイントとなった.
But everyday I’m feeling more anxious
直訳すると「でも毎日不安をより感じる」.不安をより感じるということは,日を追うごとに不安が増していく様子を表しているのかなと思い「不安が募る」と訳した.
I’m not a part of your game
直訳では「私はあなたのゲームの一部ではない」.gameは日本語のゲームと違い結構広い意味がある.ここではその一部である「真剣にやらない,不真面目なこと」という意味で捉えた.
“not a part of ~”の部分については「~の一部ではない」⇒「私は~のようではない」みたいに解釈した.
これらを繋げると,「私はあなたみたいにふざけてなんてしない」となり,「あなたはふざけてる(真剣じゃない)」,そうじゃない「私は真剣」と分けると,最終的に「あなたと違って真剣なの」になった.
pouring fuel to my rage
これはイディオムで「悪い状態をさらに悪化させる言動をすること」がある.日本でも「火に油を注ぐ」と言うが,海の向こうでも考え方が似ていて面白い.
I’d rather be on my own
直訳だと「私は一人の方がいい」になる.前の歌詞に「周りの目は気にしない」的なことがあるので意味は通るが,ちょっと寂しい.
ここでは”on my own”には「自分の能力,努力だけで」という意味もあることに注目した.この意味から「誰かに助けられることなく」や「誰の影響も受けずに」,転じて「自分を貫く」と訳した.
riding with freddy
今回の和訳で最難関.唐突にフレディさんが出てくるのである.
これとは別に”Ready Freddy”が「準備できた」をくだけた表現する意味がある(Urban Dictionary: Ready Freddy).バンド クイーンでも同じセリフが使われたらしいがフレディ・マーキュリーの綴りはFreddie.とはいえこれ(Ready Freddy)を元にしたのだろう.
私は”Ready Freddy”がもともとフレディと親しかった人が使った決め台詞的な物だろうと予想した.それが流行って親友や相棒に準備できたと言うとき/できたか聞くときに使うようになったのだろうと.
ここで曲の歌詞に戻るが,”riding with freddy”は直訳で「フレディと一緒に乗る」になる.この歌詞にもフレディ=親しい人 の考えで行くと「相棒と一緒だぜ!」的な意味になりそうである.なので私は「一緒に~する相棒」と訳すことにした.意味としてはtogetherなどよりもっとくだけて,かつ親しい人をイメージした「一緒に」である.和訳した歌詞には「一緒に」だけでも良かったが「相棒」も一応入れておいた.
編集後記的なもの
今回は危機契約#9「淵黙」の曲を翻訳して色々考えてみた.
途中のラップパートで嫌な予感はしたが,案の定難しかった.それでも少しずついい和訳ができるようになってきている……かも?
その他 危機契約のまとめはこちら.
https://netriv-garage.net/category/arknights/cc/
このサイトの和訳記事では,「和訳の正確さ」と「読者の考える余地」に重きを置いています.
読者が正確に楽曲を捉え,理解を深めてもらえるよう,和訳にミスがあればぜひご連絡いただければ幸いです.
お読みいただきありがとうございました!
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