ホーム » アークナイツ » 【アークナイツ】『Rekindle』を和訳していたらトルコに行き着いたという話

【アークナイツ】『Rekindle』を和訳していたらトルコに行き着いたという話

The Lion of Saint Mark, c. 1490,Martin Schongauer アークナイツ
The Lion of Saint Mark, c. 1490,Martin Schongauer

はじめに

アークナイツはイベントごと,または主要なキャラクターに合わせてイメージソングが作られる.
どれもハイクオリティで楽曲の公開を楽しみにしているプレイヤーも少なくないだろう.

さて,今回和訳に挑戦した『Rekindle』(再び燃え上がる)はシージをイメージした曲となっており,日本でも第11章公開に伴い公開された.

和訳に挑戦はしたのだが……今回は和訳以外のボリュームがましましになってしまった.そのため今までのような和訳記事と毛色が変わってしまったかもしれない.これ以降はそんな気分で読んでもらえるといいかも.

Millions of tongues record thee, and anew

Their children’s lips shall echo them, and say,

‘Here, where the sword united people drew,

Our countrymen were warring on that day!’

https://youtu.be/ktWfU1TsJ_c
動画詳細より

珍しくEPに添えられたテキストも英語なので以下に和訳した.英文のままなのはある英語の詩を引用したためであると思われる.詳しい解説は後半に.

幾万の舌が汝を記憶し、しかして新たに
子らさえ語り継ぐだろう
「ここ,剣を以て統べられた地であり,
輩もあの日戦えり!」と。

※本和訳記事は,公式が発表しているガイドラインに基づき作成しております.不備等がございましたらお手数ですがお問合せページからご連絡をお願いいたします.

楽曲情報

作曲:Erik Castro
歌:Uyanga Bold
リリース(日本):2023/5/8
登場作品:アークナイツ(Hypergryph · Yostar スマートフォン向けゲーム)

Uyanga Boldさんはその多彩で優れた歌声で,多くの映画やゲームなどにその歌声を残している.
最近のものでは映画『ムーラン』(2020)や,ゲーム『Ghost of Tsushima – Legends』にも楽曲を提供している.彼女の公式サイトがあるが,有名なタイトルに多く関わっており驚かされる.

ちなみに過去にもアークナイツに関わっている.
メフィストとファウストをイメージしたEPや,危機契約#3「灰燼」などだ.

歌詞(和訳)

以下の和訳はサイト筆者が書いたものであり,公式からの情報ではないことにご注意ください.

A queen in disguise
Kissing fear goodbye
Regaining her throne
Let the darkness begone!

姿をくらました女王よ
恐れに別れを告げ
王位を取り戻せ
闇を払え!

A fire from the palace
Rising from the ashes
Sages sing her glory
She’s the light of victory!

宮殿より舞い上がる炎
灰燼より立ち上がれ
賢者は彼女の栄光を讃える
彼女こそが勝利の光である!

Nasimimi dorje
Kiye ehehera
Dosimi mi ehere
Eh kiri yehehe
Nasimi ihiyehehey
Na miriyehehey
Dosimi iyehehey
Eh! Kedieheheye

曲の意味

EPに添えられた英文について

これは『チャイルド・ハロルドの巡礼』(1812~,ジョージ・G・バイロン)の第3巻第35章の一部引用であるようだ.詩的な和訳は分からないので拙いものだと思うが参考までに.

意味としては革命のための戦いが起きたとき,同胞もまた戦っていた.これは永遠に語り継がれていくことだ.的な感じだと思う.

『チャイルド・ハロルドの巡礼』自体は旅行記のようなものだが,行く先々で主人公チャイルド・ハロルドが感じたことが短い詩でまとめられている.

原文は調べれば出てくるし,サイトでも日本語訳(難解だが)がある.文学的,教育的な意味合いから考察した論文などもあり界隈では有名……? 恥ずかしながら存じておりませんでした.

歌詞に触れてみたいが……

↓↓↓↓↓以下メインシナリオ8章以降の内容に触れていますので注意!↓↓↓↓↓
(深堀りはしていないですが… …)

ネタバレという意味ではそもそも曲の歌詞がストーリーを読んでいないドクターにはネタバレに合っていると思われる.

シージはロドスに所属する際にはギャングのリーダーという立場であったが,本当はヴィクトリア王家の末裔であるのだ.

この曲はそんな彼女がメインシナリオ8章以降で身を投じたこととなるヴィクトリア内の紛争での活躍を歌ったものであるといえよう.

トルコにルーツを見出す

この曲を通じて,このサイトではシージの周りや,ヴィクトリアの情勢にはトルコがモチーフになっているという説を推していきたい.ヴィクトリアの文化自体はイギリスがモチーフだという説が有力だが,ではどこからトルコが出てくるのか.

以降,以下の3点からトルコの存在を感じてみたい.

  1. シージの種族アスランの由来
  2. ヴィクトリアの情勢
  3. 曲の最後に流れる謎の言語
シージの種族アスランについて

シージはアスランという種族に属している.今のところアスランはシージのみなのでかわいそうだが,まぁ周りにはグラスゴーのみんながいるから良いだろう.

話が逸れたが,アスランはトルコ語のAslanが由来であると言われている.シージ自体はゲーム最初期からいるオペレーターの一人なので,実はかなり昔からトルコが仕込まれていた(?)のだ…..!

ヴィクトリアの情勢について

ヴィクトリアは,今まで出てきたテラ国々の中でも特に複雑な情勢を抱えている.詳しくはより丁寧な考察サイトを参考にして頂く方が良いと思うが,ここでも軽く触れてみる.

ドラコとアスランによって統治される現代国家。テラで最も豊かとされる中央の渓谷地域も含め、広大な領土と豊富な資源を有しているほか、複数の開拓地区と飛び地をも有し、多数の中核国家と隣接している。ヴィクトリア帝国は、権力政治と領土拡張を重視しており、テラに自らの手で国際秩序を確立するという理念の下、その覇権と開拓地の略奪により貴族の利益を保ちながら、ヴィクトリア至上主義の国際体制を築こうとしている。

ログイン前の用語説明 より

これはゲーム内の説明文からである.ヴィクトリア出身のその他オペレーターからも分かるように,結構近代的で,近代の英国を思わせる.

ただ,このサイトでは文化ではなくあくまで統治者にのみ焦点を当ててみる.説明文にあるようにヴィクトリアを統治するのはドラコアスランの2つの勢力だ.

しかし,シナリオを読み進めてみると,これらの統治者は鳴りを潜め,現在(シナリオのメイン時間軸)ではサルカズが実質的な支配をしている.

このようにヴィクトリアは統治者の変遷が多い.

イギリスは王室にのみ注目すれば1000年続く歴史があるので,その移り変わりの多さに注目するならばトルコに近しいと言える.

ちなみにトルコを支配した代表的な国/王朝を挙げるとこんな感じ.

  • ヒッタイト帝国(紀元前1600年頃 – 紀元前1180年頃)
    トルコにおける最初期の帝国
  • ローマ帝国(紀元前1世紀 – 1453年)
    当初はローマの属州としてだったが,後に東ローマ帝国(ビザンツ帝国)へと続いていく
  • オスマン帝国(1299年 – 1922年)
    1922って結構最近じゃん?とびっくりである.まさに栄枯盛衰を体現するかのようである.

あくまで代表的なものを挙げただけなので,実際にはもっと多くの国々が入り乱れた.思い返せば学生時代もここらへんの歴史で大いに悩まされたものだ.同じ経験をした人は少なくないはず.

曲の最後は何を歌っているのか

この記事を探した人の中で,英語の部分を知りたかった方もいるだろうが,後半の何語かわからない部分の意味を知り合い人が多いのではないだろうか.

先に言ってしまうと,この記事ではこの後半部分の和訳というものはない.期待されている方がいたら申し訳ない.

このサイトでは後半部分の謎の言語について,ある程度の考察を交えつつ,曲における意味を考えてみる.この部分,翻訳アプリ等に入れても日本語には直してくれない.

”へへへ”て……馬鹿にされていそうだが翻訳ツールは全く悪くない

某有名翻訳ツールで自動言語検出を用いるとこのような無残な結果となった.
だがしかし,なぜかは分からないがこの歌詞をD●●pLはトルコ語と判断しているようだ.

この結果について,海外のアークナイツ関連サイトでも後半の歌詞部分はトルコ語がベースになった造語であるという旨の記載がある(ソースなしのため信憑性は微妙だが)ため,一応意見の一致はしている.

私はトルコ語には全く理解がないためどこからトルコ語と判断できたのかが分からない.なので昨今噂のやつにも聞いてみた……

噂のChatGPTさん こ奴はまぁまぁ嘘をつくので参考程度に

はい,最近人気のChatGPTさんでした.彼(?)もトルコ語と判断している.

このサイトでは以上3つの声(海外Wiki,D●●pL,ChatGPT)から,トルコ語ベースの造語であると考えていく.どれも信憑性が怪しいものだが,まぁ3つとも意見が一致しているなら多少は信じられるのではにだろうか.

まとめると

という訳で,ヴィクトリア自体はイギリスをモチーフにしているのだが,シージと彼女を取り囲む情勢についてはトルコの影響が大きいのではないだろうか.

ちなみにいえば,支配者が移り変わりが多い地域はトルコ以外にも多くあるので,順番で言えばあくまでシージ(アスラン)がトルコをモチーフにしていたから,そうとも捉えられるよねといった感じである.ちょっとずるい理由付けをしてしまったな.

ただ一点,もしも本当にトルコをモチーフにしているのならば……トルコは前述のとおり,まさに栄枯盛衰を繰り返してきた.仮に今のサルカズの支配が終わり,シージらが元の地位に返り付いたとしてもそれは長くないかもしれない.

ちなみに『チャイルド・ハロルドの巡礼』の第3巻第35章も,チャイルドハロルドが今はなき帝国を想って詠んだものであり,こちらも「栄枯盛衰」がキーワードである……

しかし私は彼女ならば,彼女たちならばそんな運命すらも打ち砕いてくれるはずだと信じてみたい.

和訳について

今回は和訳については難しい表現がなかったので解説を省く.別に和訳サイトにするつもりはないけど,こう,和訳記事を多く書いてきたから複雑な気分だ……


編集後記的なもの

今回はアークナイツ シージのイメージソング『Rekindle』を和訳したかったがなぜか小説やトルコの歴史の話に触れていた.和訳サイトとは銘打ってないし,まぁ斬新でまとめている身としては楽しかった.

その他アークナイツ関連の記事はこちら
ぜひお気に入りの一曲を探してみてほしい(記事が無かったらご連絡ください!作ります!).

このサイトの和訳記事では,和訳の正確さ」と「読者の考える余地に重きを置いています.
読者が正確に楽曲を捉え,理解を深めてもらえるよう,和訳にミスがあればぜひご連絡いただければ幸いです.

お読みいただきありがとうございました!

コメント

タイトルとURLをコピーしました